admin on 5月 8th, 2012

こんにちは、ゆばです!

 

今日は「陶器と磁器の違い」についてお話したいと思います!

 

焼き物ファンのみなさまからは「え、そこから!?」という声が聞こえてきそうですが、

すみません…そこからなんです…。

私のように初心者の方は、陶器も磁器も、

「焼き物」「陶磁器」としてひとくくりで認識してしまっている人も多いのではないでしょうか。

私も最近まで、

「なんか、陶器はごつごつしてるやつで、磁器はつるつるしてるやつ」

くらいの認識でした。

 

もちろん、ちゃんとした違いがあるのですよね。

 

一番大きいのが原料の違い。

陶器は、「土(粘土)」を主な原料としているのに対して、

磁器は陶石と呼ばれる「石」の粉を主な原料としています。

なので素焼きのままだと陶器は赤茶色、磁器は白色になるそうです。

 

ちなみにこの磁器に使う陶石とは、

もともと火山活動で出来た灰色の流紋岩が、

温泉にさらされて鉄分などの成分が流れ出て白色になったもの。

日本の磁器のほとんどが、熊本県天草群島で産出される天草陶石を使用しているのだとか。

 

また、陶器は磁器よりも厚みがあり表面にも粗さがあるのに対し、

磁器は薄く表面がなめらかなので、細かい絵付けをすることができます。

陶器の場合は釉薬(ゆうやく)と呼ばれる液体をかけたり焼き上げるときの灰で色付けをするのですが、

その釉薬の種類や窯の中の酸素量を調節することでなんと80種類以上の色が出せるのだそうです。

 

また陶器は光を通さないが磁器は光を通す、

磁器の方が熱伝導率が高く、熱いお茶を入れると器もすぐに熱くなる、

などの違いがあるのですが、一番分かりやすいのは音の違い。

 

箸などで軽く叩いた時に、陶器は低く鈍い「コッ」という音、

磁器は高く澄んだ金属音のような「チン」という音がします。(お茶碗を箸で叩いた時のあの音です。)

 

ということで、

私と同じ焼き物初心者の方は、今度から焼き物を見た時に

陶器なのか磁器なのか意識してみてはいかがでしょうか。

 

 

陶器と磁器にはその歴史にも面白い違いがあるようですが、

それはまた今度の機会に!

 

ゆば

admin on 9月 14th, 2011


小さなサイズの利休茶碗 黒楽 [楽焼]

 

「一楽、二萩、三唐津」
千利休の侘び茶の精神を具現化したものとして、茶人好みの筆頭に上げられる楽焼。
桃山時代、茶の湯の流行を背景に生まれ、以来400年の伝統を守り続けています。

楽焼といえば、その柔らかであたたかい感じが特徴のやきもの。
吸水性、通気性が非常に高く、点てたお茶は冷めにくいと言われています。
さらに、永く使うほど味わいと風合いが出てくる「育てる楽しみ」を備えたやきものなのです。

楽焼を使ってみたいけど、手入れは陶器や磁器とどう違うの?
そんな方のために、ここでは楽焼を快適にご使用いただける4つのコツをご紹介します。

 

1.汚れと破損を防止

ご使用前に水あるいはぬるま湯に浸けてください。
茶碗が汚れにくくなり、破損を防ぎます。

 

2.収納前によく乾燥!

吸水性、通気性が非常に高い楽焼。
ご使用後はきれいな水ですすいだ後、充分乾燥してから収納してください。
水分とともに汚れを吸収したまま収納しますと、臭気が発生したりカビの原因となります。

 

3.やさしい気持ちで

生地がやわらかいため、手荒く扱うと破損する場合があります。
やさしくお取り扱いください。

 

4.酸性は苦手かも…

酸の強いものに長時間ふれると、変色変質の原因となる場合があります。
梅干や酢の物など、酸の強いものに長時間触れさせないでください。

 

番外:もしもニオイが付いてしまったら

万一、お茶碗に臭いが付いてしまった時は、そのお茶碗で1週間ほどお茶を点ててみてください。
自然と臭いが取れてきますよ。

 

※鋏(ヤットコ)のはさみ跡

楽茶碗、特に黒楽は、鋏(ヤットコ)ではさんだ跡が残る場合があります。
高温の窯中より鋏でつかみ出すことにより残る跡で、
利休・長次郎の時代より今日まで変わることなく続く焼成方法によるものです。
侘茶の風合としてお楽しみいただければ幸いです。

 

京遊本舗取扱い楽焼の一覧はこちら

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鶴亀(楽) ペア箸置(2ヶ入) [清水焼/京焼]

 

お抹茶椀のイメージが強い楽焼ですが、こんな可愛らしい箸置きもあるんです。
あたたかくてやさしい雰囲気の食卓を、より豊かに演出してくれそうですね。

お気に入りのうつわだから、末永く使いたい。
そんな思いをまるっと叶えるうつわを長持ちさせるコツ、まとめました。


雪うさぎ 箸置(5ヶ入)

 

「磁器」と聞くと、皆さんはどんなうつわを想像されますか?
青色で複雑な文様が描かれているとか、いや、青じゃなくて赤い模様だとか、
様々なうつわを想像されたことと思います。
ところで、そのうつわの色、うつわ自体は白色じゃありませんでしたか?

 

そう、磁器は生地自体が白いんです。
白い生地を高温で焼き締めた、陶器に比べて硬度に富む磁器。
その透明感が魅力的な焼き物です。
吸水性・通気性に富む陶器と違い、磁器には吸収性はありません。
そのため、キレイな状態を永く保ってお使いいただけます。

 

多少は汚れに強い磁器ですが、
やっぱりお心配りをいただきたいことがあるんです。
以下では、その3つのことをご紹介します。

 

1.手洗いでいたわりを

うつわを洗う時は、食器洗い機、乾燥機のご使用は避けて手洗いでお願いします。
クレンザーやナイロンたわしなど、研磨剤が付いているもので強くこすると
うつわの表面に傷がついてしまいます。ご使用はご遠慮ください。

 

2.熱いのは苦手です

急激な温度変化によって破損することがあります。
熱湯を注いだり、直火にかけたりするのはお避けください。

 

3.絵を守るために

色絵や金彩・銀彩のうつわを高温にかけると、
上絵付けの釉薬が溶けたり、金彩・銀彩の色がくすんだりしてしまうことがあります。
電子レンジやオーブンなど、高温になる器具でのご使用は避けてください。

 

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以上の3点にお心配りをいただければ、うつわをよりキレイにお使いいただけますよ。
使うと食卓がグッと引き締まる磁器。
ぜひ取り入れてみてくださいね。

 

admin on 9月 9th, 2011

お気に入りのうつわだから、末永く使いたい。
そんな思いをまるっと叶えるうつわを長持ちさせるコツ、まとめました。

 


染赤丸紋うさぎ マグカップ(ペア・単品) [清水焼/京焼]

 

水と乾燥を味方につけて

 

陶器は吸水性・通気性に富み、永く使うほど味わいと風合いが出てくるうつわです。
繰り返し使っていくことで、貫入に茶渋が染みこんで貫禄が出てきたり、
肌合いが馴染んできたり、使う人ごとに千差万別の変化を遂げます。
陶器は、いわば「育てるうつわ」なんです。

 

これからじっくりうつわを使い込んでいくにしても、やっぱり最初はキレイな状態を保ちたいもの。
それならまずは、ご使用の前にぬるま湯などに浸して器に水分を含ませてみてください。
このワンステップを踏んでご使用いただくことで、茶渋・シミ等が付きにくくなりますよ。

 

また、食べ残しや汁物を入れたままにすると、こちらもうつわが汚れを吸収し、
カビ、シミ、臭気を発生する原因となってしまいます。
ご使用後は汚れを早く落とし、台所洗剤などで洗ってください。
長期間収納する場合は、しまう前によく乾燥させてくださいね。
乾燥しきっていないと、カビやシミが発生してしまう恐れがあります。

 

 

研磨剤と高温は大敵です

 

うつわを洗う時は、食器洗い機、乾燥機のご使用は避けて手洗いでお願いします。
クレンザーやナイロンたわしなど、研磨剤が付いているもので強くこすると
うつわの表面に傷がついてしまいます。ご使用はご遠慮ください。

 

また、熱湯を注ぐ、直火にかけるなどの急激な温度変化によって
うつわが破損することがあります。
色絵や金彩・銀彩のうつわを高温にかけると、
上絵付けの釉薬が溶けたり、金彩・銀彩の色がくすんだりしてしまうことがあります。
電子レンジやオーブンなど、高温になる器具でのご使用は避けてください。

 

 

陶器独特の特徴「貫入」

 


使いやすい七寸鉢 緑釉 [陶器/京焼/清水焼]

 濃緑の釉薬に、うっすらと走る線が「貫入」です。

 

陶器の表面に釉薬を掛けたものには、釉の部分にヒビが入るものがあります。
「ヒビだらけの食器なんてイヤ!」とお感じになる方もいらっしゃるかと存じますが、
これは「貫入(かんにゅう)」といって、陶器独特の風雅な特徴なんです。
静かな場所では、時々「ピンッ」と貫入の入る音が響くことも。
その涼しげな音色に耳を傾けるのも、なかなかオツなものですよ。

 

 

漆素材との組み合わせ

 

塗盆・漆卓などの上でうつわを引きずると、
高台の状態によっては盆や卓に傷が付いてしまう場合があります。
どうぞご注意くださいませ。

 

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いかがでしたか?
あまり馴染みのない習慣もあったかもしれません。
しかし、以上のことにお心配りをいただければ、うつわをよりキレイにお使いいただけるはずです。
どうぞ、あなた好みのうつわをじっくり育ててみてくださいね。