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Repair Service | お直しについて

 公式オンラインショップでお買い上げいただいた製品は、*お直しを承ります。 下記の【お修理の流れ】と【ご注意点】をご確認のうえご連絡ください。  

*一部承りかねない場合がございますのでご了承ください。 


 【お修理の流れ】 

  1.  問い合わせページより以下の内容を明記の上ご連絡ください。 
    1. 壊れたときの状況(a-dの中からお選びください)   a.初期不良   b.使用後2-3回    c.引っ掛け  d.その他(詳しく)   
    2. 品番または商品の特徴 (ピアス、ネックレスなどのアイテム名、色などお分かりになる範囲で結構です) 
    3. 返送先ご住所(問い合わせページにご記入の住所と異なる場合)

  2.  該当商品をご郵送ください。
    ※担当スタッフよりメールいたします国内の送付先にお送りください。
    ※送料は、初期不良の場合を除き、恐れ入りますがお客様ご負担にてお願い致します。
     
  3.  商品が弊社に届き次第、一度状態を確認し、お修理の可否とお見積もりをメールにてご連絡いたします。 

  4. ご納得いただきましたらお修理に進みます。完成までしばらくお待ちくださいませ。(通常約2ヶ月)  

  5. お修理品をご指定のご住所宛にお送りいたします。返送時の送料は弊社で負担いたします。
    ※弊社からは基本的に定形外郵便にてお送りいたします。
    ※それ以外の方法をご希望のかたは、その場合にはお客様に送料をご負担いただく場合がございます。


  【ご注意点】 

  • 一度商品を拝見させていただき、お修理や交換での対応が可能な範囲かどうか確認のうえ、ベトナムの工房にてお修理作業を致します   
  • 大抵の場合、無償修理を承らせて頂いております。ただ稀に状態によってはやむを得ず有償でお願いせざるを得ない場合もございますので、万が一有償となる場合については、その時点で一度ご連絡させていただくように致します。 ・日本で郵送にて承り、その後修理作業はベトナムの工房で順次行います。
  • 修理品のお戻し時期:なるべく早くお戻しできるようにいたしますが、修理作業とお戻しまでには少々お時間を頂いておりますこと(通常2~3ヶ月程度)を予めご了承くださいませ。 

[連載Vol.2]元・船上生活者の家庭出身の女性アーティザン、ルン

phuhiep:

※この記事は2014年8月から11月まで、Fragments上で掲載した

連載[古都フエで生まれるPhuhiepのものづくり ~女性アーティザンたちのサイドストーリー~]

を一部編集して掲載しています。(Fragmentsは、Ethical Fashion Japanのリニューアルに伴い誕生した新しいウェブマガジン。)


この連載の全文は、新エシカルファッション情報サイト

Fragments

に掲載中です。


観光地フエの光と闇

ベトナム王朝最後の都としてかつて栄華を極め、現在でも王宮や帝廟といった歴史的建造物が多く残る世界遺産にも登録された、ベトナムの古都フエ。「Phuhiep」のアクセサリーを生み出すアトリエのある場所です。毎年、世界各地から多くの観光客が訪れています。 

由緒ある名所旧跡が散在している華やかな都の趣を残す一方で、その観光都市化政策のために、本来の生業や暮らしを失ってしまった地元民がいることは、あまり知られていないのかもしれません。そういった中に、かつて船上で暮らしていた人々がいます。フエには、彼らが強制的に移動させられた定住地区が存在しています。

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由緒ある名所旧跡が散在している華やかな都の趣を残す一方で、その観光都市化政策のために、本来の生業や暮らしを失ってしまった地元民がいることは、あまり知られていないのかもしれません。そういった中に、かつて船上で暮らしていた人々がいます。フエには、彼らが強制的に移動させられた定住地区が 存在しています。

ルンという女性

現在アトリエで共に働く「Phuhiep」のアーティザン(職工・技工)に、ルンという女性がいます。アーティザンの中でも最古参の彼女は、トレー ニーとしてアトリエに入ってくる後輩たちへの目配り気配りもよくできる人。人懐っこい笑顔が愛くるしく、ちょっと泣き虫ですが、困った人がいると放ってお けない人情派です。また、みんながちょっと面倒だと思う作業を(率先して……というほどではありませんが、笑)引き受けてくれるのはいつもルンです。

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彼女のアーティザンとしての技術には、安定した高度なものがあります。美しいものへの好奇心、探究心、女子力の高さも(!)、人一倍持ち備えています。そのルンの家庭も元は船上生活者で、彼女自身の生まれ育った境遇も、それはとても大変なものでした。

虐げられ、そして船上で暮らしていた

そもそも船上生活者とはどういった人たちだったのか。
フエの船上生活者の多くは、歴史的に、犯罪者、売春婦、貧困に陥った人たちなど、元いたコ ミュニティーを出なくてはならなかった人たちだったり、あるいはベトナム戦争時に南側について戦い、戦後不利な条件での生活を強いられていた人たちでし た。

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ルンの家庭も、元は船上で暮らしていました。数十年にわたる観光地化政策で船から陸に上がった後、政府の指定する船上生活者のための居住地区の借家を点々としていたといいます。[2014年8月27日掲載分・抜粋]

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(via phuhiep)

[連載Vol.3]「私、シングルマザーになります」

phuhiep:

※この記事は2014年8月から11月まで、Fragments上で掲載した
連載[古都フエで生まれるPhuhiepのものづくり ~女性アーティザンたちのサイドストーリー~]を一部編集して掲載しています。(Fragmentsは、Ethical Fashion Japanのリニューアルに伴い誕生した新しいウェブマガジン。)
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たっぷりと時間をかけて、アクセサリーは生まれる。そして人も……

フエのアトリエで刻まれる時の流れは、とても緩やかです。あらゆる物に溢れて変化も早い日本やシンガポールなどの国にいると、フエでの時間はまるで時が緩やかに重ねられていくよう。アトリエにはいつも、なんとも静かな時間が、風のようにそよそよと流れているような感覚です。そしてそのゆったりとした流れの中で、ひとつ、またひとつとアクセサリーが生みだされます。

このゆったりとした時間の流れ方の中で生まれるものーーそれはアクセサリーだけではなく、それを生みだすアーティザンたち「人」にもいえるのです。

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アーティザンの中で最古参メンバーのルンは、シグニチャーモチーフであるニットリングのわずかな糸の乱れも見逃さない、細部へのこだわりを持つ女性アーティザンとして成長しました。彼女が一流の場で勝負できる職人として一人前になるのに努力し、かかった年月は、約7年。はい、ゆっくりじっくり7年です。

「Phuhiep」は、日本ではローンチしてまだ年月の浅いブランドです。しかしブランド立ち上げ以前の約6年間は、多くの支援者の方からご協力を 得て、いまの前身・母体となる非営利団体・Hue Happy Projectでの識字教育と職業訓練プロジェクトを行っていました。当時12才だったルンは、そのプロジェクト参加者・受益者の一人として、必死でプロ ジェクトに食らいついてきた少女たちの中の一人です。

ブランドの前身・Hue Happy Projectでの取り組み

Hue Happy Projectでは、元船上生活者のコミュニティに暮らす子どもたちを対象に、読み書きなどの基礎学力をつけることはもとより、簡単な職業訓練ワーク ショップを行っています。職業訓練というのは、手に職をつけるような実質的な技術を学ぶというよりは、もっと基本的な仕事に対する姿勢を学ぶもの。約束を 守る、遅刻しない、嘘をつかないなど、将来社会に出た際に必要な基本的スキルを習得するワークショップです。

コミュニティの多くの子どもたちが抱えている問題は多岐にわたっています。学校に行かせてもらえなかったり、アルコール中毒やギャンブル中毒になっ たり、盗みを働いたり、若くして妊娠してシングルマザーとなったり……。こうした問題は、単純に基礎学力をつけるだけでは解決できないことを、私たちは少 しずつ気づきはじめていました。

そこで、いまの多くのベトナム人のような生活を送るチャンスをつかむために必要なスキルを身につけられるよう、この職業訓練ワークショップを開始したのです。

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職業訓練ワークショップを始めた当初、参加する彼らの社会性といえば、想像を遥かに超えるほどローレベルなものでした。じっと20分椅子に座っていることさえできません。約束の開始時間を決めても、時間どおりに来る子はほぼいません。遅れた理由を聞いても、悪気や後ろめたさを感じている素振りもあり ません。

なぜでしょうか。これは、親から受けたしつけの方法や教育といった、ここ数年で生まれたものではありません。ただ貧しさの中から生き抜くことだけが全てであった彼女たちの親世代、さらには祖父母世代から引き継がれている「負の連鎖」そのものなのです。

犯罪・貧困・戦争などのさまざまな背景から、土地で暮らす権利を奪われ虐げられ、やむを得ず川上でボートを浮かべて、2代、3代と暮らしていたのが 船上生活者の家庭です。魚や貝をとっては市場で売る。その日暮らしではあっても、彼らは長年そうやって船上での暮らしを営んできました。

それがある日突然、陸地へあげられた人々。強いられるまま、生きる術のない環境に突然押しやられた彼らは、その日に食べるものを手に入れること。人 に言われたことを信じてするよりも、自分の直感で危険な場所から逃げることーーそういうことを優先せざるを得ない生活を続けてきたのです。それは、私たち の考える「一般的な」社会性など、とうてい必要のない生活でした。

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ルンはこのHue Happy Projectに6年間、それはもう必死で食らいついてきました。実際に途中でドロップアウトしてしまう子も多かった中、彼女が続けることができたのは、 もしかするとルンの中に「自分を変えたい」という意志があり、また「自分が変われば、未来が変わるかもしれない」という希望も見えていたのかもしれませ ん。[2014年9月12日掲載分・抜粋]

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(via phuhiep)

[連載Vol.4]アクセサリーを出荷するときのおまじない

phuhiep:

※この記事は2014年8月から11月まで、Fragments上で掲載した

連載[古都フエで生まれるPhuhiepのものづくり ~女性アーティザンたちのサイドストーリー~]

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です。


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ルンから妊娠のことを打ち明けられたのは、ちょうど私たちがホーチミンでの初のコレクション展に向けて、準備をしている初夏のことでした。出産の予定は、今年の暮れ頃とのこと。ルンは日々大きくなるお腹をなでながら、体の負担のない範囲でアトリエでの仕事を淡々とこなしています。クリスマスにはきっと、元気なベイビーに会えることでしょう。

元船上生活者の定住地区の子どもたちの多くには、父親がいません。抗えない歴史の大河に翻弄される苦しい生活に堪え兼ね、夫が妻子を置いて失踪してしまうのです。残された妻が内職やその日暮らしの肉体労働をして子どもたちを必死に育てていくというケースや、最悪の場合には不法労働や人身売買に子どもを追いやってしまうというケースもあります。そういった彼らの子どもたちもまた、シングルマザーのまま身ごもるケースが多くみられます。ルンもその1人となったのです。

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かつてルンが「お母さんは、私のことを愛していないの。私より姉のほうが大事みたい」と、つぶやいたことがありました。ベトナムでは、男の子が女の子よりも、はるかに大切にされて甘やかされて育つ社会であるようですが、ベトナムの中でも特に保守的な慣習が残っているフエにおいて、もしかすると、女の 子の中でも年上の子のほうが(親の面倒を見るという意味でも)大切にされるのかもしれません。また下の子どもになるにつれて、親が愛情をかけなくなるとい うこともあるのかもしれません。

ルンの持つ、人なつっこさや愛嬌は、元船上生活者であるいう生まれ育った家庭環境や、もしかすると日々感じているちょっとした愛情の欠如の裏返しなのか? と考えてみたりもするのです。

愛情たっぷりかけたものづくりの現場からアクセサリーは生まれる

そんな元船上生活者のコミュニティで育った女性アーティザンらとともに仕事をしていく私たちは、彼女たちが不安なく長く働いていけるよう、さまざまな環境を整えることが必要だと思っています。

生まれ育った環境が壮絶であったからこそ、いま自立に向けて日々努力をしているアーティザンの女性たちにとって「Phuhiep」のアトリエが、単に職場としてだけではなく、彼らの心のよりどころであることが、とても大切だと思うのです。

自分が努力すれば、裏切らず正当なフィードバックを得られること。逆に、努力を怠ればそのぶんも自分に跳ね返ってくること。こつこつと毎日目標に向 かっていけば、自己実現できると信じられる場所であること。ともに働く仲間とのチームワークで、困ったときには互いに手を差し伸べ、助け合うことのできる こと。血のつながりはなくとも、壊れない絆を全員が感じられること。

アトリエという職場そのものが自分たちの「ホーム・家族」と感じられるような場所を提供したい。「chúng ta là gia đình!(私たちは家族)」いつも魔法の呪文のようにこの掛け声を互いにかけ合っています。

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製造業では当然のことながら、生産効率を追求し徹底的に無駄を削ぎ落すことも重要です。そのために大量生産でスピード感を持って、より安価に生産するというのも一つのあり方です。「Phuhiep」というアクセサリーブランドの中で、私たちが目指すものづくりの指標は効率ではなく、質の高さと優しさ といえるかもしれません。品質の良いものを作るために、アーティザンに効率性や生産数で評価することはありません。ミスなく丁寧に作ることができたか、そ こが一番大切です。効率での評価はしませんが、ミスや間違いは評価に反映します。

そしてもう一つ、家族である同僚やアーティザン仲間に優しく接し、助け合うことができたか。誰かが困っているときに、気づいて声を掛けることができ たか、そこも評価に反映させている大切な要素です。単純に数値化できないところを評価し、アトリエ運営ひいてはブランド経営の指標とするというのは、 「Phuhiep」のものづくり、ビジネスとして志している理想型への一つの特徴です。

目下の課題は、ルンが安心して子どもを出産し、育てていくことができるような職場環境を整えること。アトリエにベビールームを作って、ゆりかごを揺 らして、自分にも家族にも同僚にも優しく接せられる愛情に溢れたアトリエの環境から、一点の曇りもない美しいアクセサリーを生み出していきたいのです。[2014年10月1日掲載分・抜粋]

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(via phuhiep)

[連載Vol.5]いざパリのファッションウィークへ

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新作コレクションをパリの展示会「THE BOX」で発表

日本国内での発表に先駆けて、先月パリで開催された展示会「THE BOX」。毎シーズン、厳しい選択基準をクリアした世界各国のファッションブランドのみが、アクセサリーやバック、スカーフなどのコレクションを発表展示をゆるされる展示会です。そんな権威ある展示会に参加する。それも、「エシカルだから」ではなく、「アクセサリーブランドとして」です。

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発表したコレクションは、絹糸を使って編み上げた細やかなモチーフや、シンプルなデザインの中に効果的に取り入れたゴールドなど、大人の女性を魅せるアクセサリーの数々に仕上がりました。もちろん一点ずつベトナムのアーティザンたちがハンドメイドで仕上げたものです。シルク特有の美しい発色としっとりとした質感、さらに京都出身のデザイナーによる繊細な造形と、古都フエの女性たちの丁寧な手仕事に、欧米人バイヤーの方からも上々の評価で、多くの学びと手応 えも感じました。

腕を磨いてきたアーティザンたち

なにより、この世界で勝負する舞台に来られるまで、腕を磨いてきたアーティザンの努力を誇りに思っています。あのルンをはじめとする 「Phuhiep」のアーティザンの多くは、教育を受けずに育った元船上生活者の親の元に生まれ、貧しさの負の連鎖を自ら断ち切ろうと訓練を積み、いま、 私たちとともにプロフェッショナルとして仕事をするアーティザンとして自立の道を歩み始めたところです。

パリの展示会場で、アーティザンたちへ掛けられた言葉は「かわいそう」ではなく「素晴らしい」でした。彼女たちはもう「かわいそうな女の子」たちで はない。自立した女性アーティザンとしてパリのファッションウィークの舞台に立っていることを、彼女たちとともに分かち合いたいと思います。[2014年10月24日掲載分・抜粋]

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(via phuhiep)

[連載Vol.6]月の満ち欠けとベトナムの人々の暮らし

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折々の豊かな四季の移ろいを、山の草花や自然の生き物などの身近なものから感じ取り、愛で、その味わいが人々の暮らしに彩りを与えるものとして、古来より生活に取り入れてきた日本の人々。「東風解凍」「蟄虫啓戸」「半夏生」「霜始降」……現代では耳にすることも少なくなった、これら七十二候の言葉にもあるように、日本でも古くは季節の変化を繊細に感じながら暮らしを営んできました。

現代において、ベトナムこと「Phuhiep」のアトリエがある古都フエでは、月の満ち欠けを基準とした旧暦に沿って人々は暮らしています。 満月の日にはお供え物を飾り豊穣を願い、新月になれば家の前に祭壇を作り先祖に祈る。自然や季節の移ろいを月のかたちから読み取り、月のリズムとつながって暮らすことは、大切に受け継がれてきた人々の習わしです。

アトリエでも、この古都フエの慣習に習い、毎回ベトナム人マネージャーが中心となって、お供え物を準備してアトリエの入り口付近に簡易の祭壇を作ります。「五穀豊穣」「家内安全」「商売繁盛」「無病息災」などなど(?)スタッフで祈りを捧げています。

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シグニチャーモチーフに込めた思い

「Phuehiep」のアクセサリーのシグニチャーモチーフとして、リングがたびたびデザインに登場します。月の満ち欠けに准じた旧暦で暮らしてい るベトナム・フエの人々。 季節の行事や日々の習慣なども月とともにあり、月はベトナムの人たちの毎日を照らし続けてきた光。そんな神聖で身近なベトナムの「月」のイメージをこのリ ングは象徴しています。[2014年11月5日掲載分・抜粋]

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[連載Vol.7]ガールズパワーが止まらない!

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アトリエでの、ガールズトークは止まらない!

メンバーも少しずつ増え、女性だけのアトリエからは、いつも女性たちの明るい笑い声がケラケラと聞こえています。もちろん、細かいパーツを組み立てていくときなど、高い集中力を必要とするときは、アーティザンの真剣な眼差しに、こちらも息をすることすら遠慮してしまうときもあります。でも、休憩中や慣れた簡単な作業をしているときなどは、楽しそうな会話に、時には鼻歌なども聞こえてきたりします。彼女たちの会話にちょっと耳をそばだててみましょう。

「あの歌手の新曲聞いた?」「うん、お姉ちゃんに借りたわ。かっこよかった!」
「漁師のボーイフレンドとは最近会っているの?」「ううん。いまダナンにいるからなかなか会えないの……」

などなど……お年頃の彼女たち。日本の女性が日々繰り広げるガールズトークとまったく変わりはありません。私たち日本人スタッフにも、

「今日、髪の毛ぼさぼさじゃない?」「今日のお洋服より、昨日の方がすてきだったわ」

と、見る目は厳しい彼女たちからのダメ出しも遠慮がありません。私たち日本人スタッフもうっかり気が抜けず、アーティザンたちと一緒に女子力アップのために日々精進です。

「もう、アトリエを辞めたいです」

そんなアトリエで、「Phuhiep」のアーティザン・ルンの赤ちゃんの誕生の便りを待ち通しく待っていた頃のこと。ある日の朝、アトリエのマネージャーから連絡がありました。

「アーティザンの○○と★★が今朝出勤していません!!!」

常に「時間には正確に」ということを徹底しているアトリエです。遅刻の場合は、彼女たちからは連絡が入るはずですし(バイクのタイヤがパンクしたなどハプニングで遅刻することも、ときどきありますから……)、通勤途中に事故にでもあったのかしら……と、とても心配です。

その後、なんとか連絡が取れた彼女たちの口から出た言葉は「私たちもうアトリエを辞めたいです」でした。

とにかく「アトリエに顔を出しなさい」と伝え、のろのろと出勤してきたそのアーティザン2人は、確かに数日前から勤務態度も良くありませんでした。 こんなときは、すぐに全員でミーティングをします。ベトナム人スタッフのみでする場合もあれば、我々日本人が入る場合もあります。

2人の話をよくよく聞いてみると、アーティザン仲間どうし、というよりその家族どうしの諍(いさか)いから端を発したようでした。元船上生活者の居 住区では、各家族がそのコミュニティの集合住宅のようなところで集まって2世代、3世代が暮らしています。コミュニティ内には、家庭によってはテレビや電 気のあるところとないところ、働き手が複数人いる場合とそうでないところ、など各家庭の事情・抱える問題の程度によって、その生活レベルに差が見られま す。今回も、ちょっとした妬みから発展してへそを曲げてしまったようでした。

アトリエ内だけでは解決できない問題を乗り越える

時にこういう、突然仕事をボイコットしたり、「辞めたい」と言う子がいます。アーティザン、マネジメントスタッフも含め、若い女性どうしが集まれ ば、楽しくにぎやかな反面、まだ精神的に未熟な部分もある彼女たちは、妬みや小さなケンカもおき、感情のコントロールができなくなってしまう場合もありま す。さらに、日頃からの折り合いの悪さや、縄張り争い、戦争のときにどちらについたのか、など世代をまたいで続く争いごとが、普段寄り添って生活するコ ミュニティの中でいまだ根深く存在しています。家族やコミュニティでの根深く複雑な事情も入り込み、ことが大きくなれば、最悪のケースではその日アトリエ が機能せず、生産がストップしてしまうこともあるのです。アトリエ内だけでは解決できない大きな背景が、まだそこには横たわっています。[2014年11月27日掲載分]

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(via phuhiep)

[連載Vol.8]「誇り」という最高のアクセサリーを身につけて輝くPhuhiepのアーティザンたち

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女性はいつの時代も、強く、生きる。そして子どもを守ってきた

「Phuhiep」の女性アーティザンたちの家族に、その生い立ちや、これまでの人生の歩みを一つひとつ尋ね聞いていると、どれほど過酷な環境の中にあっても、過酷であればあるほど、その家族の行く末は女性たちの手に委ねられていたような気がします。

戦火を逃れ命からがら逃げて全てを失い、その現実に耐えられず蒸発してしまった夫に代わって、子ども3人を育ててきたおばあちゃん。不運にも子どもや夫を事故や病気で亡くし、高齢になって授かった末っ子女児を育てるために、陸地への居住を強いられた後も、徒歩で2時間掛け、遠く離れた市場に通い、日銭稼ぎのために、荷物持ちなどの力仕事をする50代の女性……。

必死に踏ん張って、どんな手段を取ってでも生きることと、子どもたちを育てることを決して諦めなかったのは、昔もいまも、女性たちの底知れぬ強さであったことを実に思い知らされるのです。

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身近なロールモデルとなりつつある、「Phuhiep」女性アーティザンたち

「Phuhiep」最古参アーティザンの一人であるルンは、人懐っこくて人情味溢れる、19才の女性です。繊細な手仕事が特に得意な、安定感ある仕事で頼りになるアーティザンです。数年前までの彼女は、元船上生活者の居住区に住む、はにかむように幼い笑みを浮かべる、内気で痩せっぽちの少女でした。 その彼女が「変わるんだ」という強い意志を持ち、その炎を消すことなく、6年間必死で食らいついてきました。

いま、安定した収入を得て暮らせるようになった彼女は、自分のことはもちろん、家族の食費も自分の収入で手伝い、洋服やヘアゴムなど少しだけ自分の欲しいものを買い、わずかながら貯金もできるようになりました。

毎朝彼女がアトリエへ出勤してくるときは、きちんと櫛で髪をとかし、清潔に洗濯をしたお気に入りの洋服に身を包み、きりっとした表情でやってきま す。仕事場という、緊張感が必要な場に来るんだという、気概を感じます。その姿は、内職や不安定な日雇い労働がほとんどで、アルコールやギャンブルに明け 暮れる大人の姿が当たり前だった、元船上生活者コミュニティの小さな子どもたちの目には、希望と憧れとして映っているに違いありません。ルンといっしょに 働きたい! という女性がアトリエを訪ねてくるのです。

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第二、第三の次世代のアーティザン育成中

そんな中、最近のアトリエは、いままで以上にガールズパワーに溢れています。実際に、
アトリエで仕事をする女性アーティザンやメンバーが少しずつ増えてきているのです!

ルンをはじめとする熟練のアーティザンたちのほかにも、彼女たちについて学ぶトレーニーを増やし、第二、第三のルンとなる次の「Phuhiep」 アーティザンたちを生み出すべく、働きかけを行い、環境を整えているところ。その一つとして、基礎学習支援や衛生教育、マイクロクレジット支援などを行な う「HUE HAPPY PROJECT(注)」で開催している職業訓練ワークショップに参加する女性たちを増やしているところ。その参加者である女性たちが、時折ではありますが、アトリエに顔を出したりしています。

その中には、無職の夫と3才の子どもを支える家計の柱となるべく、アトリエの門を叩いた23歳の女性もいます。学校の授業についていけず、金銭的な問題もあってドロップアウトしてしまい、以来家事手伝いをしていたという10代の女の子もいます。(注)「HUE HAPPY PROJECT」は、「Phuhiep」ブランドローンチ前の非営利の取組み。現在もその活動は、「Phuhiep」製品の売上の一部と賛同者の寄付により運営を続けています。

「誇り」という最高のアクセサリーを身につけて

先日、アトリエのみんなで、出産を終えたばかりのルンとルンのベビーに会いに行ってきました。ルンは、もうすっかり母の貫禄です。元来、赤ちゃんを放っておかないベトナム人です。アトリエのアーティザンとスタッフ全員で代わるがわる赤ちゃんをあやしながら、きっとこれからますますアトリエはにぎやかに仕事をしていくでしょう。アトリエには、ご協力者のみなさまに譲って頂いた、ベビーベッドや抱っこ紐やガラガラなどのおもちゃとベビー 服があります。ルンがベビーを連れて戻ってきたとき、安心して仕事に打ち込める空間づくりも、少しずつ進めています。

作り手であるアーティザンが、収入面でも仕事場の面でも、幸せと夢を感じられる優しい環境を整えていきたい。彼女たちがコミュニティのロールモデルとなり、「Phuhiep」のアトリエで働く体験を次世代へもつなげていきたい。そんな思いで運営してきたアトリエも、その思いを実現できる場になってき ました。

でもまだまだ、その種は蒔かれたばかりです。種から芽が出て、だんだんと育っていく……まだ満開には至っていません。それでももう、彼女たちは可哀想な女の子たちではない。「誇り」という最高のアクセサリーを心にまとって、一歩ずつ進み始めたのです。

働く女性アーティザンの家族も人生もぜんぶ丸ごと一緒に抱え、友情と愛情を分かち合い、真摯にものづくりを追求していくーーそんな「Phuhiep」のアトリエでは、今日も女性たちがこつこつとアクセサリーを作っています。

[2014年11月28日掲載分・抜粋]

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(via phuhiep)

「ソーシャルスキルワークショップ」始めました。「ソーシャルスキル」とは?

huehappyproject:

NGO・Hue Happy Projectは、ベトナム中部の元・船上生活者たちの暮らす地域で、子どもたちや若者、その家族、すなわちコミュニティ全体を支援する目的で始まったNGOです。


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これまで、読み書きのクラスや職業訓練ワークショップ、また奨学金の付与を通じて、自立した生活が送れるよう支援してきました。

2015年からは新しい取り組みとして、「ソーシャルスキルワークショップ」という3年プログラムを開始しました。

フエの町が少しずつ発展し、スーパーや高級レストランなどが町にでき始めてきたものの、元・船上生活者の居住区の家庭環境や住居環境は、それほど変わっていません。

むしろ、貧富の差がますます拡大し、「格差」を目の当たりにする機会が増えてきました。そして精神的な無力感から、お酒やドラッグ、ギャンブル中毒になる大人も少なくありません。


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「ソーシャルスキル」とは?

その中で育つ子どもたちは、ある子どもは働く必要があったり、ある子どもは家計に余裕がなかったりする理由で、基本的な教育機会を与えられることがありません。それゆえ、読み書き計算という基本的な学力以前の課題を抱えています。

子どもたちは、「ソーシャルスキル」という、社会の中で他人と交わり、共に生活していくうえで基本となる能力を育む機会がありませんでした。


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清潔を保つことをはじめ、時間を守ること、挨拶をすること、嘘をつかないこと、人のものを盗らないこと、人の話を聞くときの姿勢、自分の意見を言うべきとき言うべきでないとき……など、先進国の子どもならば「できて当然」と見なされるような習慣が備わっていません。

いざ働こうとしても、そういった態度が壁になり、一般的な職業に就くことができなかったり、継続して働くことができなかったりします。

「ソーシャルスキル」とは、自立した生活を築き、改善していくうえで欠かせない最初の能力です。



7つの「ソーシャルスキル」

HHPでは、どのような学びの機会を支援すれば、この課題を克服できるか、次の7つを洗い出しました。

  • 衛生と地域の衛生(Hygiene and Community Hygiene)
  •  家計管理(Financial literacy and work ethics)
  •  妊娠、出産(Reproductive Health)
  •  中毒(Addiction)
  •  栄養(Nutrition)
  •  メディアリテラシー(Media Literacy)――著しい経済発展で、いままでテレビの中でしか見たことがなかったような贅沢品を、実際に目にする機会が増えてきた。格差を体感する機会が増えたことで、自らの生活が悲惨だと思い込み、自尊心を低くなっている様子が伺える。メディアが促す消費活動を鵜呑みにしない、批評的な目を養う力を育てる。
  • エンパワメント(Empowerment and Leadership (prevention, campaign building, public narrative)――自分たちでコミュニティを動かし、変えていく主体性を育む。

これらのトピックについて、3年を掛けて体験的なワークショップを行い、指導していくというのが、プロジェクトの概要です。


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自分たちがリーダーになる!「エンパワーメント」

ワークショップは、2日間にわたって実施。アメリカ・ニューヨークに拠点を置く、人身売買防止に向けて活動するNGOから講師を招きました。

1日目は、13〜18歳までのティーンエージャーを地域から集め、ゲームやディスカッションを通じてトピックについて学びます。

2日目は、アクセサリーブランド「Phuhiep」のアーティザンとスタッフを中心に、トピックに関するリーダーシップトレーニングを行います。


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年長者であり、すでに「Phuhiep」での勤務を通じて、基本的なソーシャルスキルが備わりつつある彼女たちを、地域の「リーダー」としてトレーニングします。

彼女たちがお手本となって、地域の年少者に教えていくこと。そうして、自分たちで地域を変えていくような流れを生み出していくことがねらいで、7つめの「エンパワメント」としても重要です。

次回は、実際のワークショップの様子をご紹介しながら、見えてきたこれからの課題と展望をご報告します。

(via phuhiep)